皆様は自動車の購入で、オートローン(クレジット)をご利用された事はありますでしょうか。
最近ではオートローンの利用には様々な支払い方法があり、月々の金額を少なく設定できる残クレや、月々の金額を自由に返済する方法など自動車の支払い方もユーザー様に合わせた便利な支払い方法が増えてきました。
自動車の購入を考えている方は、まず一番先に考えるのが支払い方法ですよね。
「あの車が欲しいのだけど現金で買おうか、それともクレジットで買おうかどうしよう?」
こんな風に考える方は少ないかもしれませんが、最近私のお客様の商談の中でも、現金で買う事も出来るのだけどクレジットで買われるお客様もあります。
現金は手元に置いておいて、自動車はローンで分割払いをされるのです。
これは人それぞれなのではありますが、「現金で自動車を買ってしまって手元のお金を使ってしまったら、いざ何か必要な出費があった場合に現金の用意が出来なくなるし、他で現金の借り入れをするよりも自動車のオートローンの方が金利が安いから、自動車はローンで購入しています。」
このお客様はこんな事をおっしゃてました。
実際に自動車のクレジット金利は、安いもので1.5%なんてものもありますもんね。
人それぞれ家計の設計はあるようで、これも一つの賢い購入方法ですね。
新車や中古車の購入での支払い方法は、大きく分けて3種類の支払い方法があります。
現金での購入、オートローンでの購入、カーリースからの購入など支払方法はいろいろあるのですが、今回はオートローンについてお話したいと思います。
オートローンの種類は
自動車の購入で利用されるオートローンは主に4種類の支払い方法があります。
①支払回数指定の完済クレジット
回数指定の支払い方法は通常のクレジットとなります。
最初に支払いの年数や回数を決めて購入資金を月々で割る方法です。
例えば、
200万円の所要資金で、60回均等払い、実質年率5.0%での場合
初回お支払い額 | 39,959円 × 1回 |
月々お支払い額 | 37,700円 × 59回 |
ボーナス加算額 | 0円 |
お支払い総額 | 2,264,259円 |
分割払い手数料 | 264,259円 |
初回お支払日 | 2019年4月 |
最終お支払日 | 2024年3月 |
こちらが最も一般的な支払方法で、〇〇回払いで月々〇〇円払いとなります。
もちろんボーナス払いも併用で入れて、月々の金額を下げる事も出来ます。
他にも月々の支払い金額を先に決めて、回数を何回払いにするかという計算方法もあります。
資金200万円で、月々3万円払い指定の場合
初回お支払い額 | 35,695円 × 1回 |
月々お支払い額 | 30,000円 × 77回 |
ボーナス加算額 | 0円 |
お支払い総額 | 2,345,695円 |
分割払い手数料 | 345,695円 |
初回お支払日 | 2019年4月 |
最終お支払日 | 2024年3月 |
上記の2種類ともに自動車の購入資金を期間内に全額支払う完済方式です。
解りやすいように金利は同じで計算しています。
支払い回数が増えると分割払手数料の金額は増えていきます。
②新車の残価設定型クレジット
数年前から非常に多く利用されるようになった残価設定型クレジットですが、お客様の中にもご存じない方もあるようで、皆さん知っているわけではないようです。少し簡単に説明してみます。
残価設定型クレジットとは、基本は新車の購入に利用されます。
あらかじめ決めておいた下取り金額を差し引いて、残りを月々で割って支払する方法です。
あまりにも簡単に言いすぎました。
例えば、新車本体金額が100万円するとします。
3年後の乗り換えで下取り金額が50万円付くとします。
残りの50万円を3年間(36回)で割って月々の支払いとなります。
単純に3年間で半分だけ支払えば新車に3年乗れますよ。
という事になります。
なんとなくイメージ出来ましたでしょうか。
内容をよくご存じの方はそんな単純じゃないよ。とお思いでしょう。
細かく言えばそんなに単純ではないのですが、なんとなくのイメージとすればこんな感じです。
残クレはどのような支払い方をするのか
例えば、ホンダ フィットハイブリッドでの場合
3年の残クレで36回払い、頭金なし、ボーナス払いあり
所要資金238万円
月間走行距離1000Km
実質年率3.5%の条件の場合
初回お支払い額 | 44,279円 × 1回 |
月々お支払い額 | 41,600円 × 34回 |
ボーナス加算額 | 50,000円 × 6回 |
お支払い総額 | 2,547,929円 |
分割払い手数料 | 167,929円 |
残価率 | 41% |
最終回残価金額 | 789,250円 |
5年60回払いの残クレで同じ条件です
初回お支払い額 | 31,273円 × 1回 |
月々お支払い額 | 27,700円 × 58回 |
ボーナス加算額 | 50,000円 × 10回 |
お支払い総額 | 2,638,373円 |
分割払い手数料 | 258,373円 |
残価率 | 26% |
最終回残価金額 | 500,500円 |
このように3年後、5年後に残価金額(下取り金額)を決めておいて、
残りの金額を月々で割るという方法です。
契約満了の時に、その車を乗り換えるか、乗り続けるのかを決めなくてはなりません。
こうする事で月々に払う現金は少なくなるのです。
残クレは契約満了月の3~2ヶ月前には、乗り換えるのか、継続してその車を乗り続けるのかを決めなければなりません。
新たに乗り換える場合は、乗っている車両の査定をして最初に決めていた残価に見合うかどうかの判断をします。
例えば、契約時に決めた残価金額より、乗換の時に査定をした金額が引くければ、差額分を追い金支払いしなければならないのです。
逆に、乗換時に程度が良すぎて(走行距離が少ないなど)返金できる場合もあります。
残クレの場合は乗り方や事故歴などによって、乗換時に追い金や返金になる事があるので、残クレの契約時はシッカリと説明を聞いておくようにしましょう。
③中古車購入の据置きクレジット
新車には残クレですが、中古車は据置きクレジットというものになります。
内容は残クレと同じような事になるのですが、違う所は残価の金額設定をお店独自で決めなければならないのです。
中古車ですのであまり古い車両では据置きクレジットは出来ないと思います。
5年落ちの中古車で、5年のクレジットを組んだとします。
クレジットが終了する時には10年も経った車両と言う事になります。
新車から10年も経つとあまり価値のない車になりますよね。
そんな車両に据置額(売却金額)を付けることはできないと思います。
なので据置きクレジットは高年式の中古車でしか扱えないものです。
例えばのプランを設計してみます。
新車から1年落ちの中古車 フィットハイブリッド
中古車 車両本体金額160万円
諸費用込み所要資金175万円で36回払い
実質年率5.5%
初回お支払い額 | 44,079円 × 1回 |
月々お支払い額 | 42,500円 × 34回 |
ボーナス加算額 | 0円 |
お支払い総額 | 1,933,524円 |
分割払い手数料 | 183,524円 |
据置・残価率 | 30% |
据置金額 | 444,445円 |
上記のプランの変更で、5年60回払いの場合
初回お支払い額 | 32,944円 × 1回 |
月々お支払い額 | 30,600円 × 58回 |
ボーナス加算額 | 0円 |
お支払い総額 | 2,029,967円 |
分割払い手数料 | 279,967円 |
据置・残価率 | 15% |
据置金額 | 222,223円 |
このように据置型クレジットは据置額をお店独自で決めて、ユーザー様はクレジット満了日に売却するか、それとも据置額を支払って買取るかになります。
中古車の据置きクレジットには細かな条件等がありますので、契約時にはシッカリと内容を理解しておいてください。
据置金額の設定は、中古車の人気具合や年数落ち金額により変わります。
お店独自の設定になりますので、中古車相場の高い車両であれば据置金額も高額設定が出来ると思います。
こうする事で月々の支払い金額を少なくできるという事です。
金額設定はお店の意向によりますので、ご商談時に交渉して下さい。
据置きクレジットのご利用では次ような方法をとられる方もあります。
例えば、「3年後に転勤になるから自動車は手放さなければならない」という方の場合は、手放すことが決まっているので中古車を買う時に据置きクレジットを利用する事で3年後に売却する事が出来ます。
所要資金から売却金額を差し引いての計算になりますので、月々の支払い金額を抑えることが出来ます。
他にも例えば、3年後に定年を迎えるAさんがいたとします。
その方が据置きクレジットで中古車を購入されました。
なぜ据置きクレジットにしたのか?
購入から3年間は月々払いで支払金額を抑えたい。
3年後には退職金があるのでそれで一括返済をする予定。
このようなプランが出来ます。
据置きクレジットにする事で月々の支払い金額を少なくできるメリットがあります。
他にも購入されるユーザー様にあわせて様々なプランが組めるので、ご希望の方は販売店にご相談ください。
④自由返済型クレジット
自由返済型クレジットはあまり知られていないようですが、お客様のライフプランに合わせて月々の支払金額を変更したり、支払い回数を変更できる支払方法です。
どのようは支払いパターがあるかというと、
ステップアップ返済
最初の時期の支払い額を少なして、徐々に支払額を上げていくことが出来ます。
例えば、初めの1年2年を少なくして3年~5年までを支払金額を上げる
収入が少ない年から後々収入が上がる方など
支出が多い年から後々少なくな方などにお勧め
ステップダウン返済
ステップアップ返済の逆のパターンになります。
スポット返済
返済途中でまとまった金額を臨時に返済することが出来る。
例えば、月々1万円の支払いのパターンに、この月は3万円とか5万円をスポット的に返済する方法です。
スキップ返済
これは今月支払いが難しいなどがある時に、最低限月々の金利のみ返済できれば残りを繰り越せるという方法です。
繰り越した金額は最終支払い月に回されて、支払回数が増えます。
延長返済
スキップ返済と同じような形ではありますが、支払月を数ヶ月減らして残りを延長することが出来る。
支払い回数が増える事になります。
どのパターンでもですが、最初の契約内容からユーザーの意向で返済途中にも支払方法を変更できるという利点があります。
ただし自由に支払えるというメリットはありますが、金利手数料は通常クレジットより割高になります。
月々の収入が不安定な方や、年によって支出が大きく変わる方などにお勧めかと思います。
ユーザー様のライフプランに合わせて、ユーザー様自身で支払いプランを変更することが出来るローンです。
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銀行ローンとクレジット会社のローンはどちらがいいのか?
銀行系のマイカーローンと、クレジット会社のオートローンはどちらがいいのでしょうか?
金利の違いや手続きの仕方などが違うのですが、お金を借りるという事は同じです。
自動車販売店などで取り扱っているローンはクレジット会社のローンになるのですが、便利な事もあればそうでない事もあります。
車屋さんでローンを組まれたことがある方は知っておられると思いますが、ローンで購入された自動車の車検証はクレジット会社の所有権が付くことがほとんどです。
車検証の所有権というのは、借り入れをすべて返済しないと自動車の所有者は自分のものにならないという事です。
銀行の場合は車検証に所有権が付くことはあまりありません。
銀行ローンと、クレジット会社のローンの違いについてお話しようと思います。
クレジット会社のオートローンでは
主に自動車販売店などで取り扱っていて、簡単に申し込みが出来てすぐに結果が出ます。
どのような流れになるかというと、自動車購入の契約時にクレジットの申込をします。
申込方法も最近では、タブレットやパソコンを使って商談テーブルにいながらその場でオンライン申し込みをします。
オンラインでの申し込みですので審査結果が早く、数分から30分以内に結果が出るようになっています。
すぐに結果が出るので自動車販売店も助かりますし、お客様も自動車の発注が早くできるというメリットがあります。
ただし所要資金の金額次第で、クレジット会社の自動車所有権が付帯されます。
借入資金が自動車購入総額の、おおよそ3分の2以上であればクレジット会社の所有権留保になる事が多いです。
クレジット会社の所有権留保は、ローンを完済すれば解除する事が出来ます。そして自動車は自分のものになるのです。
メリット・デメリットはありますが、クレジット会社のオートローンは簡単に申込めて審査も早い。
私の経験上、銀行系のマイカーローンと比べると、審査が通りやすいと思います。
銀行系マイカーローンでは
申込が少し面倒です。
銀行が開いている時間に申し込みに行かないといけない。(平日9:00~15:00)
申込をする時に、自動車購入の見積書や契約書の提出が必要です。
そして申し込みから審査結果が出るまでには数日かかります。
しかし、金利手数料は取引状態によって変動する様で、0.5%~5.0%と低金利のものがあるようです。
金利は銀行によって違うので様々です。
銀行マイカーローンでの自動車の所有権は、ユーザー様が所有者になる事がほとんどです。
ですので自動車を納車されてからは所有者がユーザー様なので、いつでも売却する事が出来ます。
銀行系のマイカーローンは、申込が少し面倒ですが金利は安いものがあります。
そして、所有権留保がなくてユーザー様が所有者になるという事です。
なので、いつでも手放せるという事を踏まえると、銀行系のマイカーローンの審査は厳しいものとなります。
クレジットに不安要素のある方は、審査に通りにくい場合があります。
銀行系ローンのもう一つのメリットは、おまとめローンが出来る事です。
今現在他のもので返済をしている場合、自動車を購入すると多重ローンになり月々の支払いが多くなるので、それを一つにまとめるという事が出来る銀行も有ります。
多重ローンで大変な思いをしなくて済むかもしれません。
銀行系でも、クレジット会社系のどちらでも返済方法は、様々な支払い方が出来様です。
銀行系でも自由返済システムはあるようです。
それで結局どっちがいいの?
これは購入されるユーザー様に一番いい方法を考えられると良いと思いますが、次のような事を参考にされてはいかがでしょうか。
すぐに自動車を注文したい!
審査が不安なのですぐに結果が出る方が良い!
全て自動車屋さんにお任せしたい!
クレジット会社系のオートローンがお勧めです。
自動車と自動車以外のものとの併用でローンが組みたい!
今返済しているローンを自動車とまとめて組み直したい!
銀行が営業している時間にいつでも行ける!
まずは、自動車を購入される時に販売店にご相談される事をお勧めします。
自動車販売店では自社の取り扱っているローンを勧めてきますが、
ユーザー様にとって一番いいと思われる(メリットがある)方法でローンを組まれる事を私はお勧めします。
自動車販売店にはお客様に強制する事は出来ませんので、ユーザー様の一番良い方法で商談をされる様にしてください。
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