聞きなれないタイヤの名前がタイトルにありますが、皆様は(レインフォースドタイヤ)や(エクストラロードタイヤ)という名前を聞いたことがありますか?
これはタイヤの銘柄の名前ではなくて、タイヤの種類(タイプ)の名前なのです。
自動車のタイヤでは様々なサイズや種類がありますが、その種類の中でも少しタイヤの規格が違うものがあり、規格によっては空気圧の圧力が変わってくるものもあるのです。
今回はこの聞き慣れない種類のタイヤはどんなものなのか、と言う事をご紹介してみようと思います。
レインフォースドタイヤ・エクストラロードタイヤって何?
レインフォースドタイヤREINFORCEDと、エクストラロードタイヤEXTRA LOAD(XL)とは呼び名は違いますが内容は同じ事で、通常のスタンダードタイヤとは性能の違いがあります。
タイヤには世界の規格で主に3つの規格があり、日本のJATMA、欧州のETRTO、米国のTRAがあります。
それぞれのタイヤのサイズ表記や負荷能力などを測定しており、各メーカーはこれらの規格に沿ってタイヤを設計しているのです。
その中でもレインフォースドタイヤやエクストラロードタイヤは、欧州で採用されている欧州タイヤ及びリム技術機構(ETRTO)が定めるタイヤ規格となっています。
欧州のETRTOでは乗用車タイヤはスタンダードタイヤと、レインフォースドタイヤに分かれます。
レインフォースドタイヤやエクストラロードタイヤ(XL)とはどのようなものなのか?
レインフォースドタイヤ(エクストラロードタイヤ)は、スタンダードタイヤよりも空気圧と負荷能力を高く設定したのがレインフォースドタイヤ(XLタイヤ)です。
例えば、15インチをインチアップをする場合、スタンダードタイヤでは最大負荷能力の空気圧は250kPaの場合、17インチのエクストラロードタイヤでは290kPaになり最大負荷能力を維持するためには空気圧を高くする必要があります。
そして、レインフォースドタイヤやエクストラロードタイヤは高い空気圧に耐えれる様に設計されているので、スタンダードタイヤより空気圧を高く入れられるようになっています。
重い自動車を支えるためにはタイヤ内部の容積を大きくする必要があるのです。
エクストラロードタイヤにすれば同じサイズであってもロードインデックス(LI)が大きいので、高い空気圧にする事でより重い自動車を支えることが出来るのです。
わかりにくいかもしれませんが、簡単に言ってしまえばエクストラロードタイヤはスタンダードタイヤより高負荷に耐えられるように設計されていて、空気圧を高くすることで重い自動車も支えられる能力があるという事です。
日本のタイヤメーカーでは、レインフォースド表記よりもエクストラロード表記を採用されている場合が多いです。
同じサイズのタイヤで、レインフォースド規格やエクストラロード規格のタイヤは、スタンダード規格タイヤよりもロードインデックスが高く設定されていて負荷能力を維持するためには空気圧を高く充填する必要があります。
タイヤサイズ表記の後に「EXTRA LOAD」または「XL」と表示してある
PRスポンサーリンク
同じタイヤサイズでの空気圧の差
タイヤサイズが同じでもスタンダードタイヤとエクストラロードタイヤでは空気圧が異なります。
エクストラロードタイヤの能力を発揮するためには、空気圧はどれだけ入れればよいのか簡単な表を記入しましたのでご覧ください。
スタンダードタイヤ規格の場合
タイヤサイズ 215/45R17
ロードインデックス 87
車両指定空気圧 240kPa
負荷能力 545Kg
LI | 空気圧(kPa) | |||||
210 | 220 | 230 | 240 | 250 | 260 | |
87 | 505 | 520 | 530 | 545 |
レインフォースド・エクストラロード規格の場合
タイヤサイズ 215/45R17
ロードインデックス 91
適正空気圧 250kPa
負荷能力 545Kg
LI | 空気圧(kPa) | |||||
210 | 220 | 230 | 240 | 250 | 260 | |
91 | 475 | 495 | 510 | 530 | 545 | 565 |
同じタイヤサイズでも、スタンダード規格とエクストラロード規格のタイヤでは充填する空気圧が違い、レインフォースド規格のタイヤでは空気圧は高く充填しなければならないのです。
エクストラロードタイヤは、ロードインデックスが高く設定されているので、負荷能力を同じように発揮できるようにするには空気圧を高くしておく必要があります。
上記の表も簡単に記入しましたが、わかりにくいと思います。
スタンダードタイヤで車両基本空気圧240kPaの場合、
同じサイズのタイヤでもエクストラロードタイヤでは250kPaの空気圧となります。
同じタイヤサイズでも空気圧の違いが有りますので気を付ける必要が有ります。
車両基本空気圧は、運転席側のセンターピラーまたはドアに記載があります。
インチアップした場合の空気圧の差
インチアップした場合でもレインフォースド・エクストラロードタイヤの空気圧はスタンダードタイヤとは異なります。
15インチのタイヤを17インチにインチアップした場合
エクストラロードタイヤでは空気圧の設定はスタンダードタイヤに比べて高い設定となります。
タイヤのサイズにもよりますが簡単にわかりやすく表にして見ましたのでご覧ください。
純正指定スタンダードタイヤ
タイヤサイズ 195/65R15
ロードインデックス 91
車両指定空気圧 210kPa
負荷能力 570Kg
LI | 空気圧(kPa) | |||||
190 | 200 | 210 | 220 | 230 | 240 | |
91 | 535 | 555 | 570 | 585 | 600 | 615 |
エクストラロード規格インチアップの場合
タイヤサイズ 215/45R17
ロードインデックス 91
適正空気圧 270kPa
負荷能力 580Kg
LI | 空気圧(kPa) | |||||
230 | 240 | 250 | 260 | 270 | 280 | |
91 | 475 | 490 | 545 | 565 | 580 | 600 |
このようにインチアップした場合エクストラロードタイヤでは空気圧が270kPaになり、タイヤの負荷能力を発揮できるようにするには適正な圧力で充填しなくてはならないのです。
もしスタンダードタイヤでこのサイズの17インチにインチアップした場合は、ロードインデックスが87になってしまい、空気圧210kPaでは最大負荷能力が505kgになりますので装着不可のサイズになってしまいます。
単純にタイヤサイズ(外径)だけ合わせれば良いというものではないのです。
個人でタイヤを購入される場合、この最大負荷能力がその車に合うかどうかも調べてから購入しないといけないのです。
適正圧を調べる方法が良くわからない方はタイヤショップでご相談される事をお勧めします。
ご自分で調べてみたいと思われる方は、国産タイヤメーカーのホームページに一覧表がありますのでご確認してみてください。
自動車販売店でもインチアップされることもあると思いますが、知識不足のお店で購入されたタイヤは空気圧も不安になりますよね。
適正圧に充填されていないと、変摩耗したり、タイヤ本来の性能が発揮できない状態になり、最悪の場合は変摩耗やバーストなんて事にもなりかねません。
バーストは言い過ぎかもしれませんが、何かしら良くない影響があります。
そのような事にならない為にも一度調べておく方が良いと思います。
BRIDGESTONE ブリヂストンタイヤサイズ変更時の推奨空気圧検索システムで検索してみて下さい。
まとめ
マイカーのタイヤをインチアップしようと考えている方や、すでにインチアップされた方は自分の車のタイヤの空気圧が適正圧なのかどうなのかを一度見ていただきたいと思います。
そして購入を考えている方は、欲しいタイヤサイズ(銘柄)が純正タイヤの最大負荷能力程度あるかどうかを調べてから購入されることをお勧めします。
ではどうやって調べたらいいのか?
一番簡単な方法は、タイヤの知識に詳しい人に聞くのが一番です。
タイヤショップなどで相談されると良いと思います。
自分で調べたいと思う方はタイヤメーカーのホームページで調べることができます。
例えばご参考に、BRIDGESTONEタイヤのホームページなどの一覧表を見ていただくと解りやすいです。
株式会社ブリヂストン(空気圧別負荷能力対応表ページ)
最近ではネット通販などでタイヤを購入される方も多いと思いますが、ここまで調べて購入される方は少ないかもしれません。
単純に大きさが合えば良いと思っておられる方もいるかもしれませんが、適正サイズで適正圧にを守る事で本来の性能を発揮できるのです。
高価なタイヤを購入しても適正サイズでないと自動車本来の性能も損なうことになるので、調べてから購入されることをお勧めします。
また、空気圧もそのタイヤ性能を発揮できるように適正圧を充填するようにしてください。
タイヤ取付けサービスなど購入や予約が出来ます
皆様のご意見やご質問、ご相談などコメントでお寄せ下さい。
わからない事や教えてほしい事など、
私でお応え出来る事であれば何でもお答えしますので、
お気軽にコメント欄にご記入ください
Photo/Illustration: 無料写真素材なら【写真AC】
Photo: フレディ(ブログ運営者)
コメントを残す